山浦 愛幸 氏

社団法人長野県経営者協会 会長

 このところ政府などからは強めの景気判断が示されておりますが、雇用関係の数字が依然として悪いこと、個人消費やサービスなどの身近なものが回復してこないこともあり、実感に乏しい部分があります。様々な景気対策を政府や地方が実施しているものの、景気拡大のサイクルからは未だ乖離しており、早期の改善を望んでなりません。

 さて、我々経営者協会はその精神、「進取創造」が示すように自主独立しその時代の幾多の問題に挑戦し解決するよう努めてまいりました。諸先輩方の努力により輝かしい成果をあげてきたことを実感しております。
政権交代が起こりまだ評価をするには時期尚早かもしれませんが、施策の順序等に不整合があるのではと多少の疑問を感じております。大きな問題もあまり議論をされないうちに次々に決定しているようです。「成長戦略が見えない」と異口同音に発せられておりますが、本来であれば成長戦略という長期的なものがあって、その中に個々の施策があるべきであり、この点に一抹の不安を感じている人が多いのではないでしょうか。

 一方で、長野県は苦しいながらも前向きな方向を向いております。県政においては、産業振興を大きな柱とし、私どもの課題であります研究開発型産業の基盤を築いていくことに関しても具体的な施策を盛り込んでいただいております。長野県はもともと明治時代から全国に先んじて生糸を中心とした製造業が盛んでありましたが、昭和初期から衰退する中で疎開企業と相まって長野県企業を支えてきました。これが今の精密であり電子であると認識しています。しかしながら、先駆である本県と他県との関係も最近ではあたかも日本と東南アジアの関係のように追い上げられているように感じています。
研究開発型の企業をいち早く集積して、それに伴うインフラ整備、そして住みやすい地域が作られ、長野県が着実に成長していくことを願っております。国の政策が変化し、逆方向を向くこともありますが、私どものなすべきことは厳然としてあり、国の政策のぶれに左右されずにきちんとした施策をとっていきたいと思います。

 信州経済同友会との統合については、信州経済同友会が培ってきた精神を大切に引き継ぎ、政策提言等に活かしながら長野県の発展に大いに寄与していきたいと考えております。皆様方の絶大なるご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。

(平成22年度定時総会会長あいさつより)