塚田 裕一 氏

(株)みすずコーポレーション
代表取締役社長
(本会理事・バイオテクノロジー委員長)

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 先日、ある元金融機関のトップの方と話させていただいた折に、少子高齢化の話題になった。その方は、「人口減になって、昔の姿に戻った方が良いのだ」とおっしゃられた。その方が環境的にも生活水準の安定にも良い、との見識だった。
 統計では、2050年には人口は9000万人を切り30%減、0〜14歳の子供は60%減の700万人だということだ。それは、昭和25年の水準である。私にはどうしても、その時の日本のデザインがイメージ出来ない。戦後の内需の急拡大には、人口増も大きな要因であったと考えられ、肥大化した経済や、そのインフラは一体どうなるのだろうか?消費財を生産するメーカーやサービス業は、確実に衰退していくのだろうか?その姿をイメージ出来ない事が、私の漠然とした怖れと焦りとなっている。

  キリンビールとサントリーの2大飲料メーカーの合併話は、正に減退する内需からの大きな変化に対応する一歩だとも思える。日本の企業が海外に出て行くポイントは、技術と優秀な頭脳しかない。使い減りしない「知」こそが、資源なのだ。世界を相手に、圧倒的に先進的な技術と、優れた人を輩出し続ける仕組みこそが、必要な時だと思う。
 
  最近のTV番組では、「おバカ」ブームだと言う。人の能力は知識だけでは無いとは言え、小学校の低学年並みの常識さえわからなくても、大人になれる時代なのだと驚きを覚える。自分も出来の良い人間で無いことは十分自覚をしているが、「仁・儀・礼・智・信」という行動規範は、義務教育で身につけたつもりである。
 
  日本の「知」を世界に誇れるものにする為にも、多様化し、拡大する文明に通用する人間を輩出する為にも、「教育」こそ変化していくべきである。私は今、3つの提案をしたい。
  @徴兵制度の無い日本では、中学高学年から高校までに、寮生活を体験させる事。A公立高校に交換留学の制度を作り、1年以上の留学を経験できる仕組みを作る事。その場合の様々の奨学金制度等の環境を整える事。B小学校、中学校に農業・林業の単位を作り、土に触れさせ、学校ごとに田畑を所有する事。(休耕田の利用)
 
  勝手な事を書かせていただいたが、日本人が、世界の中でも極めて特徴的で、優秀な人材の宝庫であり続けて欲しいと思う。それが、手探りの時代の道標ではないかと思っている。