『ビジット ジャパン キャンペーンに向けて』

高見澤 忠明 氏

ホテル国際21株式会社  代表取締役社長
(本会理事)

 政府が観光立国を目指し、2010年に訪日外国人旅行者を10百万人(スタート時の倍)にする「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開して3年目になる。去年は史上最多の6百万人を記録し、今年は愛知万博が追い風となり7百万人に達すると見られている。フランスやスペインなどは、海外から50百万人以上の旅行者を毎年受け入れているのに比べ、日本は世界の33番目と見劣りしている。
 一方、出国日本人は高度経済成長になって以降、貿易黒字が大きくなり過ぎないように海外への観光旅行を奨励していたが、丁度、円高の流れにも乗り毎年16百万人(世界で10位)の渡航実績となっている。これと同じ位、海外からの旅行者に全国各地へお越しいただく様にするには官民挙げて並大抵のことではないと思うが、観光業者にとっては大きな関心事である。
 長野では、今年2月に開催されたスペシャルオリンピックス(SO)冬季世界大会で久し振りに国際色に包まれた。当ホテルでも米国と台湾の選手の宿泊やSO事務局などでご利用頂き、活況を呈した。長野県は豊かな自然と歴史・文化に恵まれ魅力のある観光地だと思うが、取り巻く経営環境は、ホテル間の激しい供給競争やスキー客の減少で苦戦している。県内で利益を上げている数少ないホテルや旅館は、経営者が信念を持って顧客志向を徹底しそれに適った企画力と実行力を保持している様である。
 ホテル経営では施設管理面(ハード)や料理などと、おもてなしのホスピタリティ面(ソフト)のバランスが大切であるが、なんと言ってもそこで働く人が、この商売が好きで人間性に富んでいることが大切のようだ。外国人観光客もどんどん受け入れたいが、その前に地域社会に支持され、国内の旅行者からも長野が魅力ある地方で、そこに、おもてなしが行き届いたホテルがあると云われる様に謙虚に努めたいと考えている。